くりが安い。それも、ただ安いというレベルではなく、年間を通じて見ても珍しい水準まで下がっている。今日の大田市場の中値は約432円/kg。過去およそ1年の安値だった約540円/kgをさらに割り込み、年間安値を更新した。秋の代名詞のような果実が、真夏のさなかにこんな値をつけることは、そうめったにない。理由はデータからは読み取れないが、この数字は素直に受け止めておいていい。
さて、外食コストが気になる季節だ。ランチ1回ぶんの出費で、家では数人分の食卓が整う。そのギャップを市場の動きから整理していこう。なお、以下の推定店頭価格は地域・店舗・規格によって変わります。あくまで目安としてご覧ください。
今日、何を迷わず買っていいか——そらまめの話
そらまめが割安圏にある。市場中値は約459円/kg。スーパーでは1kgあたり約830円前後が目安で、それでも今の時期としては値が落ち着いている。

居酒屋やビストロで塩ゆでのそらまめが小鉢で出てくると、500円前後は取られる。家で同じことをするなら、200円台で十分な量が手に入る計算になる。外で食べる雰囲気料込みの値段と比べれば、自炊の分がどれだけあるかは言うまでもない。
そらまめは鮮度が落ちるのが早い食材なので、買ったその日か翌日には使い切るのが基本。さやから出した状態で冷凍すると1か月ほど保存できるので、多めに買ったときはさっと塩ゆでしてから冷凍しておくと無駄がない。
ちなみに今の時期、市場ではそらまめ以外にもいくつかの野菜が落ち着いた値をつけている。いずれも夏の旬を迎えた品目が多く、旬の食材は価格と品質が同時に整いやすい。
あれ、きゅうりが高くない?——様子見でいい理由
きゅうりは今日、少し手を止めたほうがいい。市場中値は約454円/kg。昨年同時期との比較でYoY高騰の水準にあり、スーパーでは1袋(3〜4本)あたり約330円前後が目安だが、それでも割高感がある。
夏野菜の主役のひとつだけに、飲食店のサラダや冷製スープでもよく使われる。外食価格への転嫁はこれから徐々に出てくるかもしれないが、今の家庭では少し使用量を控えるか、ズッキーニや冬瓜で代用するのが現実的な選択肢だ。ズッキーニは今が旬で値が落ち着きやすい時期。浅漬けや炒め物への置き換えもさほど難しくない。
余談:夏の盛りに、秋の気配を感じる市場の不思議
7月下旬になると、市場にはちょっと奇妙な空気が漂い始めます。スイカやとうもろこしが全盛のかたわら、くりやなしといった秋の顔が静かに顔を出す。暦の上ではまだ夏の入り口ですが、青果の流通は一足早く季節を先取りすると言われています。売り場の片隅にある「まだ早いかな」という品目が、じつは買い時だったりすることもある季節です。
来週以降、少し待ちたいもの
例年の傾向では、なし・アールスメロン・えだまめの3品目はこれからの時期に値が下がりやすい。
- なし:昨年同時期比でマイナス40%程度になった実績あり
- アールスメロン:同マイナス36%程度
- えだまめ:同マイナス29%程度
今年も同様の動きになるかは確言できないが、急いで手を出す必要はなさそうだ。もう1〜2週間、様子を見る価値はある。
今日の一皿:そらまめとベーコンの塩炒め(10分)
フライパンにオリーブオイルを熱し、薄切りベーコンを軽く炒めたら、さやから出したそらまめを加えて中火で3〜4分。白ワインか酒を少し回しかけ、塩とこしょうで整えるだけ。そらまめは加熱すると皮がほんのり張って、噛んだときに中からほっくりとした甘みが出てくる。粉チーズをひとふりすると、イタリアンバルで出てくる前菜に近い雰囲気になる。外で頼めば700〜800円はするような一皿が、今日の市場価格なら材料費で150〜200円圏に収まる計算だ。

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