栗が、六月に安い。
少し立ち止まって考えると、これはなかなか不思議な話だ。秋の味覚の代名詞がこの時期に市場に出回り、しかも大田市場での中値は約432円/kg——過去一年の安値ラインだった約540円/kgをさらに下回り、年間安値を更新している。理由はデータからは読み取れないけれど、とにかく数字は正直で、今年の六月の栗はちょっとした異例の値動きをみせている。
それと歩調を合わせるように、さくらんぼやまつたけにも「今週ならでは」の動きが出ている。今日はその辺りを手短に整理しておきたい。なお、店頭価格は地域・店舗・規格によって変わります。以下の目安はあくまで参考としてご覧ください。
今週、カゴに入れておきたいもの
まず、さくらんぼ。大田市場の中値は約1,922円/kgで、スーパーでは1kgあたり4,040円前後が目安になります。例年のこの時期と比べると割安な水準で、山形・北海道産が本格的に出回るこの季節としては、手が届きやすいタイミングといえます。

粒がしっかり張っていて、軸が緑色のものを選ぶと鮮度の見極めがしやすいです。冷蔵保存なら2〜3日が食べごろ。買ったその日か翌日には食べきってしまうのが正直なところで、週末のまとめ買いより「今日の分だけ」と小分けで買うのが向いている果物です。
次に、まつたけ。中値は約9,720円/kgで、スーパー目安は17,500円前後。この金額で「買い」と言うとためらいはあるけれど、例年のこの時期と比較すると割安な価格帯に入っています。少量でも香りは十分立つので、炊き込みごはんに薄切りを数枚加えるだけで食卓の空気が変わります。平日の夜に少し贅沢をしたい日、炊飯器に任せるだけで完成するメニューとの相性はいいと思います。

冒頭の栗については買いシグナル扱いではありませんが、この値動きは頭に入れておいて損はありません。見かけたら価格を確認してみてください。
うめは少し待ちたい。来週以降の値動きも気になる品目
うめの市場中値は約1,274円/kg、スーパー目安は2,290円前後。昨年同時期と比べて高騰傾向にあり、今週は様子見が無難です。梅仕事をしたい方は焦らず、もう少し価格の落ち着きを待つか、今年は少量から試す年と割り切るのも一つの選択肢です。さっぱりとした酸味が欲しいなら、今の時期なら柑橘系のすだちやかぼすで代用できる料理もあります。
ところで、今月21日は夏至。一年で最も昼が長いこの時期、旬の野菜もピークを迎えます。さくらんぼやスナップえんどうがまさにその頃に重なるのは、偶然ではなく季節の巡り合わせです。夏至前後は日照時間が長い分、果実の糖度が乗りやすくなると言われています。旬を食べるとはこういうことかもしれません。
来週以降に値下がりが期待できる品目としては、さくらんぼ(昨年比−48%の傾向)、スナップ実えんどう(同−33%)、じゃがいも(同−30%)が挙げられます。いずれも例年の傾向に基づくもので、今年も同じ動きになるとは限りませんが、急がない食材なら少し待つのも手です。
今日の一皿:まつたけごはんを作り置きする
まつたけを使うなら、炊き込みごはんを週頭にまとめて炊いておく方法がおすすめです。薄切りにしたまつたけ、昆布だし、薄口しょうゆ、みりんを合わせて炊くだけ。香りは翌日も残り、冷凍保存すれば1〜2週間使えます。朝の一膳、弁当の主食、夜の茶漬けと、平日の食事がひとつ楽になります。

少量のまつたけを最大限に活かすには、ごはんに混ぜ込む調理法が一番合理的です。香りが全体に行き渡るので、たくさん使わなくても存在感が出ます。
今週の相場をまとめると、さくらんぼとまつたけに割安感あり、栗は年間安値更新という異例の動き、うめは高値継続で様子見。来週にかけてさくらんぼとじゃがいもは値下がりの可能性もあるため、急がない分は待つのも悪くない週です。
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